きびしいことを言ってくれる人も大切にしたい。

自分のどこかについてほめてくただくのは、それなりにうれしい。
しかし、それ以上にありがたいのは、改善点を指摘していただくことである。
それでいいと思ったとたんに、成長が止まる。
他人について、変えた方がいいと感じることを、本人に直接言うには大きなエネルギーが要る。
それを、あえて言ってくださるのは、とてもありがたいことだ。
このことで思い出すのは、私が教わった、ふたりの大学教官のこと。
そのうちのひとりを、仮に、A先生、もうひとりを、B先生としておく。
A先生は、思ったことを、はっきり口に出して言ってくださる。
とても分かりやすい。
あるとき、私は、B先生に尋ねた。
「きょうの私の発表、いかがでしたか?」
B先生はにこにこしておっしゃった。
「すごくよかったですよ」
私は、反省した。
まったく欠点のない発表なんて、ありえない。
そして、B先生のメッセージを、次のように受け取った。
「アドバイスを仰ぐときのきき方をよく考えなさい」
「自分で振り返ってみなさい」
私にとっては、B先生の方が、A先生よりはるかに厳しい。
ただし、A先生が、短い時間では伝えきれなかったメーセージをも読み取れる自分でありたい、とも思っている。
なかなかできないことだが。
さて、大学は学生を教育する場でもある。
しかし、教育すること自体が目的の場ではないところで、アドバイスをしていただいて頭が下がる思いをすることもよくある。
この点については、また後日書きたい。