8月2日は、私が所属する大学のオープンキャンパスだった。

 総合図書館は、臨時休館。
 私は、その日図書館で受け付けをしている人にきいてみた。
「なぜ、図書館を休館にするのですか?」
「約千人の人がいらっしゃいますので、ご理解ください」
「でも、どのような様子で調べものをしている人たちがいるのかを見ることも、オープンキャンパスでは必要ではないですか?」
「そうなんですが、中には、見学者がうるさいとおっしゃる方もいらっしゃいますので……」
 どうやら、「見学者がうるさい」という、利用者からの苦情を封じるために、休館にしたようだ。
 確かに、見学者の質問に対して答えたりしなければならないこともあるだろう。
 多少の騒々しさは、やむを得ない。
 それならば、そのことを理解しているから入館したいという学生や職員がいれば、入れてもいいのではないか。
 また、オープンキャンパスは、夏休みの平日に総合図書館が閉館する19時まで続くわけではない。
 オープンキャンパスが終わったら、利用する資格を持っている人に利用させるのが筋だろう。
 このように、この日オープンキャンパスが実施された某大学は、すでに学生になっている人を大切にしようという姿勢に乏しい可能性があることを認識したうえで、受験するかどうか判断する必要があることを言っておかなければならない。
 さすがに、この大学の授業の質は、高いことが多いように思える。
 しかし、それ以外の点においては、信じられないようなことがまかりとおっていることも事実だ。
 私は、よく感じることがあった。
 おそらく、この大学の学生になった人たちは、かなり多くの時間を勉強に費やしてきたことであろう。
 そうして入った大学の職員にこのような対応をされてもなんとも思わないのだろうか、と。
 いいえ。
 不満に思っている人が多いようだ。
「研究テーマに、『大学生の、大学に対する不満をいかにして、きき、必要な点を改善していくか』ということを考えています」
 と言うと、 
「私、不満を持っているんですけど……」
 という人が、どんどん集まってきたのだ。